闇に咲く華ー偽りの華ー
「ゆーちゃーん!もー、歩くだけでも可愛らしい!!」
部屋を出たら、広治さ…あ、広ちゃんが抱きついてきた。
女の口調をしているも、力は男なので、とてつもなく苦しい。
「ぐっ…こう…ちゃ…苦…しい…。」
「あら、やっちゃった?」
力を緩めながら、私の体を支えてくれた。
私の事、ゆーちゃんと呼んだよね広ちゃん。
「あー、広!結月ちゃんフラフラじゃないか。」
何してんだと言いながら、司さんは私と広ちゃんを引き離す。
「大丈夫?ここ座ってね。」
私をまたエスコートしながら、ソファーに座らせてくれた。
「ごめんね、広は可愛いと思うと見境なく抱きつく癖があってね。」
「可愛いものを愛でて何がいけないのかしら!」
ねー!と言いながら私にまた近づく。
広ちゃんもある意味危険かもしれないと思ったことは内緒にしておこう。
「広ちゃんは人との距離が壊滅的な気がしますよ?」
「何か誰にでもって感じじゃなーい?私は女の子のみ興味があるのよ!恋愛対象も女の子!!」
もー、可愛い勘違い♪
そう言いながら額を小突かれてしまった。
広ちゃんの周りに音符やお花がとんでいる気がする。
そっち系の人かと思いきや、恋愛対象は女の子と聞いて、私の先入観が強すぎたのだと感じた。
「す…すみません。」
「謝ること無いわ。そんな事より、このゆーちゃんの全世界か羨むような美貌はどうつくられたのかしら?しーちゃんも可愛子ちゃんだし!」