闇に咲く華ー偽りの華ー
「え…いや。」
どうしてと言われても…。
詩月は可愛いけど、私なんてそんな。
苦笑いをしながら、話を流そうとする。
「広、今日夕食なにか手伝う?」
「広ちゃんが食事作るの?」
司さんの声に、思わず聞いてしまった。
広ちゃんは両手を頬に添えて、照れながら、
「そうなのよー!ここのメンバーの食事管理は私なのよぉ。とびきり美味しいの作るから、楽しみにしててねん♪」
そう言いながら、司さんと入れ替わるようにキッチンへ向かった。
あの難いで料理…。
「人は見かけによらないわね。」
そう小さく呟いた言葉たちは、誰にも聞かれること無く消えていった。
「ごめんね、しつこかったでしょ?広が。」
「いえ、そんなこと無いです。みんなの食事を任されてるなんて凄いなぁ。」
私も一応それなりに出きるけど、ほとんど仕事ばかりだ。
「そうだね。いつもは広に頼りっぱなしだよ。ちなみに、怪我の対処をするのが僕ね。」
司さんは怪我の対処をするの!?
一人ひとりが役割を全うしてるのね。
何か、1つの家族みたい。