闇に咲く華ー偽りの華ー


今にも乱闘になりそうな雰囲気に、見ているこっちがヒヤヒヤしてしまう。

ふと、広ちゃんと私の視線が絡む。
とたんに、広ちゃんはエプロンで顔を半分隠しながら黄色い声で叫びだす。

「キャー!?ゆーちゃんのためにコーヒーゼリー作ろうと思ってたのよぉーホホホホホホ!」

何か、物凄いのを見た気がするんだけど…。

状況がイマイチのみ込めずにいると、視界が暗くなる。

「へ!?」

急に目の前が見えなくなったからか、スットンキョウな声を出してしまった。

「眼が腐るから、見なくていい。」

声を聞いて誰なのか瞬時に察知した。
大樹さんが、私の眼を覆ってる!?

「え、え、えぇえ!?」

「うるせぇな、眼が腐るんだよ。」

いいい、いくらなんでも眼が腐るということはないと思うんだけど…。

「もう!離してってば!!」

視界が開けたので周りを見ると、皆こちらを見てポカンとしている。

こ、これはどうしてこうなったのだ?


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