闇に咲く華ー偽りの華ー
今の私の体勢。
ソファーに座ってる大樹さんの膝の上。
プラスして私の腰に腕を回している図。
「ーっ!何してんのよ!」
バチーン!
と効果音が似合うほどの平手打ちをかましてしまった。
「ッテェ…。」
「ひひ…大樹さん!な…なな…何で抱きつくのよ!」
テンパりすぎで、言葉が上手く出てこない。
大樹さんは、私に叩かれた頬を軽くさすりながらこっちを見てくる。
「ん?所有欲?」
し!?
所有欲ですってぇ!?
「いいいい…いつ私がアンタの物に!」
私は物じゃないんだけど!!
2時間ほど前に出会ったばかりなのに、何故だか懐かれている感が否めない。
何故?
懐かれるほどのことをした?
思い当たる節が無さすぎる。
そのせいか、いつもの冷静さを保てないでいる。