闇に咲く華ー偽りの華ー
「ぁああの!いつまで私に手をまわしてるの!?」
「お前チビだけど、綺麗に収まってるな。」
フィット感スゲー。
そう言いながら無表情で頭を撫でてくる。
無視か?
私の言ったことは聞かれていないぞ…。
もう、この包み込まれてる状況何とかならない?
「大樹の唯一無二が出来た…かな。」
「あらま、お赤飯にしなきゃ!」
司さんと広ちゃんは親のような目で見ている。
まるで、はじめて子どもが"何か"出来た時のような…。
「こんな大樹さん見たことねぇな…。」
「ほ…本当。それにお姉ちゃんが焦ってるところなんて初めて見た…。」
「ほぅ。大樹だけではなく君もか。」
仁くんと詩月は、私と大樹さんを見ながら力が抜けたような声で話しているのが聞こえてきた。
光輝さんに関しては、先ほどの無関心とはうって変わって興味深そうに見てきた。
この後私は何故だか、何処に行くにも大樹さんが付いてきた。
何をするのにも、隣には大樹さん。
私の視界に必ずって言っていいほど入っている…。
広ちゃん同様、大樹さんも人との距離が壊滅的だわ…。