闇に咲く華ー偽りの華ー
「お姉ちゃん、相当大樹さんに気に入られてるね。」
「まぁ、詩月のお姉さんからすると、災難かな?総長につかまっちまって。」
「眠れてるってことが、安心してるってことだな。」
気に入られてるね?
災難?
安心してるってことだな?
皆して何を言ってるの?
衝撃が強すぎて声が出せず、鯉のように口をパクパクさせてしまっていた。
「わ…私は抱き枕じゃないわー!」
「ゆーちゃん、頑張って♪」
広ちゃんがファイティングポーズをしながら頑張ってって…何を頑張るの!?
私がアタフタしていると、周りの皆はいつも通りに戻る。
え?
さっき、押し寄せるように部屋に飛び込んできた人たちは、普通に戻ってるし。
あの、総長絞めてくれませんかね?
そう思っていると、大樹さんは行くぞと言いながら私の手をとった。
詩月が自分の部屋で佇む。
「お姉ちゃんを救ってくれるのは…大樹さんだわ。」
そう呟いていたのを私は知らないー…。