闇に咲く華ー偽りの華ー
「ここは慣れたんか?」
ニカッと白い歯を見せながら聞いてくる礼さんは、どことなくあどけなさを感じる。
これで40歳とは、世の中恐ろしすぎる。
「大分、慣れてきたかと思います。こんな私がお邪魔してしまって…。」
「そんなこと無いやろ。あの翔樹の倅が連れてきたんや。丁重にもてなすんは当たり前やろ。」
そんな私の言葉をズバッとかき消した礼さん。
私、丁重にもてなされる人物ではないのに…。
「なぁ。困ったことがあれば、周りを頼るんやで?」
周りを頼る…か。
何も話していない私のことをどうして気にしてくれるのだろう。
「あ、変な意味ないで?せやけど、姫にどことなく似てんねん。」
ひ…姫?
さっき晶さんと慶一郎さんも言ってたけど、一体誰のこと?
「くくっ。姫って誰やねんって顔に書いてあんで?」
「え!?」
思わぬ一言に驚き、自分の顔を触ってしまった。
そんなに顔に出ていた?
あれ、私もしかして…。
ヤバい顔だったかな…。