お昼寝御曹司とふたりだけの秘密
どうして彼がこんなところで寝ているのだろう。もしかしてここは、第二会議室?
わたしは慌ててドアまで駆けて行き、外に付いているプレートを確認する。
そこにはしっかりと『第一会議室』と書いてあって、自分は間違えていなかったと安心しながら戻った。
休憩時間だから昼寝をしているのかもしれないけど、なぜ第一会議室を選んだのかな。わたしが再び近づいても、まだ眠っている。
覗くように涼本さんの顔を見ていたら、この状況にドキドキしてきた。
わたしと涼本さんしかいない、静かな室内。今までこんなにも長く、彼を見つめたことはない。
そう思ったら、胸の音が高鳴っていた。
涼本さんのような人がこうして大胆な昼寝をするなんて、遠目から見ている仕事姿からはイメージできなかった。
彼についての噂でも、会議室で昼寝をしているなんてことを聞いたことがないし、これは新事実を発見したのかもしれない。
そんなことを考えながら、さらにじりじりと涼本さんに近づいていった。
いつもクールな切れ長の二重の目は閉じられ、普段のきりっとした表情とは違う無防備な寝顔。だけど、変わらず整っていて綺麗。
左の目もとにあるホクロが色っぽいのだけど、今は腕に隠れて見えない。頬にかかる長めの黒髪をさらりと耳の方へ撫でてしまったとき、はっとした。
わたしったら、なんてことを。涼本さんに触ってしまった!
眠っているから大丈夫だと思ったわけではなくて、無意識の流れでやってしまったことだった。
自分のしてしまったことに驚いて、手を伸ばしたまま固まっていると――ガシッ、と腕が掴まれた。
「えっ……!?」
突然のことに体を揺らして驚いたと同時に、腕が引っ張られて倒れ込みそうになる。それを避けるように床へ膝をついた。
わたしは慌ててドアまで駆けて行き、外に付いているプレートを確認する。
そこにはしっかりと『第一会議室』と書いてあって、自分は間違えていなかったと安心しながら戻った。
休憩時間だから昼寝をしているのかもしれないけど、なぜ第一会議室を選んだのかな。わたしが再び近づいても、まだ眠っている。
覗くように涼本さんの顔を見ていたら、この状況にドキドキしてきた。
わたしと涼本さんしかいない、静かな室内。今までこんなにも長く、彼を見つめたことはない。
そう思ったら、胸の音が高鳴っていた。
涼本さんのような人がこうして大胆な昼寝をするなんて、遠目から見ている仕事姿からはイメージできなかった。
彼についての噂でも、会議室で昼寝をしているなんてことを聞いたことがないし、これは新事実を発見したのかもしれない。
そんなことを考えながら、さらにじりじりと涼本さんに近づいていった。
いつもクールな切れ長の二重の目は閉じられ、普段のきりっとした表情とは違う無防備な寝顔。だけど、変わらず整っていて綺麗。
左の目もとにあるホクロが色っぽいのだけど、今は腕に隠れて見えない。頬にかかる長めの黒髪をさらりと耳の方へ撫でてしまったとき、はっとした。
わたしったら、なんてことを。涼本さんに触ってしまった!
眠っているから大丈夫だと思ったわけではなくて、無意識の流れでやってしまったことだった。
自分のしてしまったことに驚いて、手を伸ばしたまま固まっていると――ガシッ、と腕が掴まれた。
「えっ……!?」
突然のことに体を揺らして驚いたと同時に、腕が引っ張られて倒れ込みそうになる。それを避けるように床へ膝をついた。