お昼寝御曹司とふたりだけの秘密
「やっぱり野山さんも涼本のこと気になる?」
「えっ、ど、どうしてですか?」
「さっき涼本がいたとき、すれ違うまで結構見ていただろ? だから涼本の話をしたんだけど、野山さん真剣に聞いていたから」
「いや、あのっ」
気になっていませんよ、と言っておいたほうがいいと思っているのに、先に頬が熱くなってきて慌ててしまう。
「別に茶化そうとか思っていないさ。涼本みたいな男が気になるのは当然だから」
川杉さんは完全にわたしが涼本さんに好意を持っているだろうと、感じているようだった。どうしようもなくて、わたしは恥ずかしさを隠すためにとにかく目の前の資料を一生懸命確認するしかない。
川杉さんは以前商品企画部にいたから、女性社員に涼本さんのことを聞かれることが多くて、こういう会話に慣れているのだろう。
言っていた通りわたしを茶化すようなことはなく、しばらく黙ってしまったわたしの横で川杉さんは黙々と作業をしていた。
変に動揺しないで、『かっこいい人だと思います』くらい言った方が自然だったかもしれない。
自分の余裕のなさを心の中で反省しながら、わたしは資料を確認していった。
涼本さんのために、わたしができることってなんだろう。
昼間、川杉さんが言っていたことを思い出す。
社長の子息で、周りから期待されている涼本さんとはまったく立場の違うわたしだけれど、なにか彼の力になれないだろうか。
疲れやすいと言っていたから、リラックスできるアロマや入浴剤をお母さんに聞いてみようかな。それから食事も、野菜を意識して食べるようにするのがいいかも。
「えっ、ど、どうしてですか?」
「さっき涼本がいたとき、すれ違うまで結構見ていただろ? だから涼本の話をしたんだけど、野山さん真剣に聞いていたから」
「いや、あのっ」
気になっていませんよ、と言っておいたほうがいいと思っているのに、先に頬が熱くなってきて慌ててしまう。
「別に茶化そうとか思っていないさ。涼本みたいな男が気になるのは当然だから」
川杉さんは完全にわたしが涼本さんに好意を持っているだろうと、感じているようだった。どうしようもなくて、わたしは恥ずかしさを隠すためにとにかく目の前の資料を一生懸命確認するしかない。
川杉さんは以前商品企画部にいたから、女性社員に涼本さんのことを聞かれることが多くて、こういう会話に慣れているのだろう。
言っていた通りわたしを茶化すようなことはなく、しばらく黙ってしまったわたしの横で川杉さんは黙々と作業をしていた。
変に動揺しないで、『かっこいい人だと思います』くらい言った方が自然だったかもしれない。
自分の余裕のなさを心の中で反省しながら、わたしは資料を確認していった。
涼本さんのために、わたしができることってなんだろう。
昼間、川杉さんが言っていたことを思い出す。
社長の子息で、周りから期待されている涼本さんとはまったく立場の違うわたしだけれど、なにか彼の力になれないだろうか。
疲れやすいと言っていたから、リラックスできるアロマや入浴剤をお母さんに聞いてみようかな。それから食事も、野菜を意識して食べるようにするのがいいかも。