お昼寝御曹司とふたりだけの秘密
「今までも何度かそういうことがあったじゃない? だから心配はないだろうけど。今回の相手は、取引先の秘書課の美人らしい。双方本気で結婚するんじゃないかとか噂されていて……わたしは香菜が涼本さんと付き合っているのを知っているから、そんなことないって思ったんだけど……」
お見合い……。たしかに、そういう噂が女性社員の中で回ったときは今までにもある。でもお見合いの話を聞いたからって、当時はただ見ているだけの自分がどうすることもできないから『そうなんだ』って思うくらいだったけど。
今、司さんとわたしは付き合っている。
こんなわたしが、なんて思うときもあるけれど、恋人として彼の隣にいるわたしの立場からして、彼がお見合いするなんて話をスルーするわけにはいかない。
……なんて、冷静っぽく考えようとしているけど、結構動揺している。
「香菜? 大丈夫?」
「あ、うん。平気、平気」
「……噂だし香菜が不安に思うだろうから言わないでおこうかと思っていたけど、やっぱり聞いちゃったら心配になっちゃって……ごめん」
「ううん、教えてくれてありがとう。なにも知らないでいるよりは、知っている方がいいし」
「で、でも、噂だからね?」
「わかってるよ。ありがとう」
わたしは笑って見せるけど、紗子は眉尻を下げて気遣う表情していた。
司さんには、きっとわたしなんかより相応しい女性がいる。それは彼と一緒にいると強く感じること。
でも好きだから。どんなことがあっても、わたしの気持ちは変わらない。
お見合い……。たしかに、そういう噂が女性社員の中で回ったときは今までにもある。でもお見合いの話を聞いたからって、当時はただ見ているだけの自分がどうすることもできないから『そうなんだ』って思うくらいだったけど。
今、司さんとわたしは付き合っている。
こんなわたしが、なんて思うときもあるけれど、恋人として彼の隣にいるわたしの立場からして、彼がお見合いするなんて話をスルーするわけにはいかない。
……なんて、冷静っぽく考えようとしているけど、結構動揺している。
「香菜? 大丈夫?」
「あ、うん。平気、平気」
「……噂だし香菜が不安に思うだろうから言わないでおこうかと思っていたけど、やっぱり聞いちゃったら心配になっちゃって……ごめん」
「ううん、教えてくれてありがとう。なにも知らないでいるよりは、知っている方がいいし」
「で、でも、噂だからね?」
「わかってるよ。ありがとう」
わたしは笑って見せるけど、紗子は眉尻を下げて気遣う表情していた。
司さんには、きっとわたしなんかより相応しい女性がいる。それは彼と一緒にいると強く感じること。
でも好きだから。どんなことがあっても、わたしの気持ちは変わらない。