君だけに捧ぐアンコール
「はるのせんぱい!ここですぅ!」

「へぇ~素敵なバーね!」

 居酒屋で完全に楽しくなった私は、以前に来たお洒落なバーに春乃先輩を連れてきた。春乃先輩もまぁまぁ酔っている。

「こんばんはー」

「おやおや記者さん、今日はすごい美人を連れてきたね」

「分かりますー?せんぱいは自慢の先輩なんです!」

「もう飲んできたのかな。お水にしようか」

「すみません、どうしてもここにいくってきかなくて」

「いえいえいいんですよ。お美しい二人にお越しいただけて嬉しい限りですから」

「まぁお上手」

二人の会話を聞きながら、カウンターに座ろうとしたら足がふらついた。そして気付くとあの時の失礼な男が私の腕を持っていた。

「飲み過ぎだ。」

「あ、あなた、あのときの?!」

「KEI?」

春乃先輩の呟きに目を見張る。あの時の嫌味なヤツが、KEI?!ってことは…

「え、えーっ!」

 ぼさぼさじゃないから気付けない!でもよく見たら確かに加賀宮さんだ…とそう思ったところで私の記憶は途切れてしまった。

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