愛しの鳥籠〜完結篇〜
3.永遠
「わたし、ユキとずっと一緒にいたい」
「何言っているの?ラン。そんなの当たり前じゃないか」
何を今更。みたいな表情のユキを無視して更に続ける。
「わたしはユキに、風邪引いて欲しかった」
「は?」
「わたし、2週間前に風邪引いて、熱も出て数日寝込んだじゃない?」
「うん、そうだね」
「だからユキにも数日寝込んでもらったの。それで風邪でも引いてくれたらもっと良かったのに」
「ラン…?」
意味がわからないよ。
ユキの頭の中は「?」マークだらけだろう。
でも、わたしはそれでも止まらない。
「わたし、ユキと一緒に生きて、一緒に死にたいの」
溢れる想いが涙に変わって外へと溢れる。
「置いていかれるのもっ…、置いていくのも、嫌なのっ」
涙が溢れ過ぎて嗚咽まで。
それでもわたしは続けた。
「だから、わたしが風邪引いたときは、ユキも風邪引いて、一緒に寝込んで欲しいしっ。ユキが、お仕事に行くなら、そこでわたしも一緒に、はた、働きたい…のっ、。そう、すれば、なにが起きても…例えばお店に強盗が入ってきても、天変地異みたいなことが起こっても、一緒…でしょっ…?」
ユキが好き。
ユキのことが、大好き。
一時だって、離れたくないの。
こんな考え方、おかしいって解ってる。
でも、わたしはもうとっくにユキの手で「壊されてる」から、狂ってても、いいの。
わたしにとっては、ユキが全てなの。
ユキ以外、いらない。
ユキじゃなきゃ、生きてる意味もない。