追放された私は、悲劇の聖女に転生したらしいです
 しかし、それは尋ねずにおく。せっかくヘンルーダが機嫌よく笑っているのに、水を差したくないからだ。
 どうも私はヘンルーダには笑顔でいて欲しいらしい。理由はたぶん、母親とヘンルーダを重ねているから、だと思う。

「うふふ。美味しそうでしょ? ほら、一番働いた人が、食べ始めないとみんな食べられないじゃない」

「一番働いた人? あ、ウーノですか? オット? あ、ディオかな」

 山のように魚を釣って来たディオとオット。ログハウス造りに一番貢献しているウーノ。
 そのうちの誰かだと思い尋ねると、ヘンルーダは首を振った。

「あなたよ、ララさん」

「へ? え、わ、私?」

 道具を出しているだけで、基本労働はしていない。自分では、しんどいことだけを人に任せている嫌な奴、だと思っているんだけど。な、なんで?

「あなたは今日、魔法でたくさん創造をしてくれたわね。そして、その使い方を説明し、各場所を事細かに見回り、常にグリーランドの改革に頭を働かせてくれた。私は、あなたが今日の一番だと思うのだけど。みんなはどう?」
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