追放された私は、悲劇の聖女に転生したらしいです
 ヘンルーダの一声が、全員の目をくぎ付けにする。ディオとウーノが。そして、オットやマイアが次々に頷くと、連鎖するようにみんなが同調した。

「同意見のようね。ララさん、真ん中に来て、音頭をとって?」

「え、えっと、音頭、ってなんですか?」

 わけがわからないまま、ヘンルーダに手を引かれ真ん中に立つ。どうしたらいいのか迷っていると、そっとディオが隣に来て囁いた。

「今日の働きを労って、乾杯って言えばいいんだよ」

 働きを労う……て、お疲れ様です的な? うん、それなら出来そう。
 ディオに頷いて返すと、渡されたジョッキを掲げる。中身は水のようだけど、ジョッキを持つとなんだかすごく雰囲気が出る。やっと山賊らしくなってきた! と私のテンションはみるみる上がった。

「えー、みなさん今日はお疲れ様でした! 慣れない道具にいろいろ困惑もあったと思いますが、みなさんの適応力の高さには脱帽です。明日からもこの調子で頑張って行きましょう! それでは、乾杯!」

「乾杯!」
< 110 / 275 >

この作品をシェア

pagetop