追放された私は、悲劇の聖女に転生したらしいです
「は? は、はい?」

 どうして私を呼ぶの? こんな物騒な話の中に入れてほしくない。私はただの旅商人、いや、居住区改革アドバイザー! なんだか知らないけど巻き込まないで下さい。死にたくないんだからー!
 心の中で絶叫した私に、ディオは言った。

「ソラスにタネと苗を探しに行こう」

「……は?」

「水耕栽培の話だけど。タネと苗があれば出来るんだったよな?」

「はあ。出来ます、けど」

 あれ? おかしいな。今、水耕栽培の話をしていた? もっと物騒な話をしていたような気が……。

「ララ大丈夫? なにか問題でもあったか?」

「あ、ええ。大丈夫です。問題はありません。でも、あの……」

 今その話、していましたか? そう尋ねかけて止めた。わざわざ自分から話を蒸し返す必要はない。君子危うきに近寄らず。ディオとゼクスの話がなんであれ、知りません、聞いていませんという態度が正解だと思う。

「どうした?」

「いいえ、なんでもありません」

「では、午後から行くから、支度をしておいてくれ」

「午後から⁉ は、はい」
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