追放された私は、悲劇の聖女に転生したらしいです
「さて、ララも行っていいよ。準備をしておいてく……どうした? そんなに目を大きくして」

 どうした? ではない。
 今、とてもショッキングなことを聞いた気がしますが!

「ディオ、結婚するんですか⁉」

 ああ、好奇心に勝てず聞いてしまった。だって、聞きたいじゃない! 
 この鎖国グリーランドで、どうやって相手を探したのか? ひょっとしたらこの居住区の人間か、それとも、以前からの許嫁とかがいたりして!
 前世でも今世でも、浮いた話のひとつもない可哀想な私は、その手の話に敏感なのである。
 そんな好奇心いっぱいの視線を、ディオは困ったように避けた。

「さっきのゼクスの話は忘れていいよ。本人も言っていただろ?」

「でも、気になります」

「なんで?」

「え?」

 そう言われると、困る。好奇心には違いないけど、たとえばこれがディオ以外の人間だったら、こんなに気になるだろうか? うーん、どうして私、ディオの恋の話が気になるのだろう……。
 黙りこくった私の前に、ディオがゆっくり歩いて来る。背をかがめて覗き込み、美しいオッドアイで見つめられると、顔面の温度が一気に上がった。
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