追放された私は、悲劇の聖女に転生したらしいです
「いいえ。それは私を信頼して頼ってくれているということですから。でも次からは、最初から言っておいてくれると助かります」

 こちらにも、心の準備というものがある。
 特に、相手が男か女かは絶対に言っておいて欲しい! 絶対にね。

「はい、善処します」

 ディオがしおらしく頭を下げると、ゼクスが「早速尻に敷かれておりますな」と冷やかすように言う。
 どうして私がディオを尻に敷くの?と首を傾げながら、ついさっきまで考えていたことをディオに言った。

「私、宮様が女性だと信じていたから、ディオの恋人か、許嫁だと思ったんです。あ、でも、男性でも恋人の可能性はありますね」

 すると、ディオは心底嫌そうな顔をし、ゼクスは大笑いした。

「その冗談は聞かなかったことにするよ」

「あれ、違いましたか? ふうん、そうですか」

 残念半分、安堵半分、という奇妙な感情が私の心を支配する。フェイロンが男性だと知った時も、これと似た感情が沸いた。よくわからないまま、ディオとゼクスの会話に相槌を打っていると、マッサージチェアが動きを止めた。

「……んー。あ? 寝てたわ」
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