追放された私は、悲劇の聖女に転生したらしいです
「いくらでも乗っていられるぞ! すごいな。これで運動になるのか?」

「ええ。軽い腰痛などは毎日乗っていれば直ると思いますし、無理せず継続することで、運動不足も解消されます」

「へえ。まさに楽に運動出来るもの、だな。ララ、お前すごいな。どうだ、うちで働かないか?」

「えっ?」

 ヘッドハンティング?
 冗談かと思い、フェイロンを窺うと、真剣な表情をしている。
 本気? でも、私、グリーランド居住区改革アドバイザーだし、ここで働くわけには……。

「フェイロン。ララは渡さない。なにがあっても」

 後ろからディオの声がした。
 彼はどちらかと言うと、飄々として本心を明かさないタイプだ。言動も意味不明であることが多く、物事を断定しない。そのディオが、渡さないと言った。それって……必要とされているってこと?

「渡せない、じゃなく、渡さない、ね。でも、ディオの意見は聞いてないのだよ。わたしはララに聞いている。どうだ? グリーランドのような田舎より暮らしやすいと思うがね」

「宮様、お心遣いありがとうございます。でも、私、グリーランドの人たちが大好きなんです。だから、すみません」
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