追放された私は、悲劇の聖女に転生したらしいです
 事も無げに返すと、守護獣たちは敬服したように頷いた。なにか勘違いしているようだけど、商品の使い方を知らなければ、お客様に勧められない。なので、ホームセンターにおいてあるほとんどの商品の使い方や仕組みは把握している。テントを立てるくらい朝飯前なのだ。
 仮眠をとり、起きてから昼ご飯用の魚を釣る。いい釣り竿にいいルアーを使うと、川魚は入れ食いだった。それを捌いて焚き火台で焼き、ほどよくお腹が満たされると突然スピネとムーンが辺りを警戒し始めた。ムーンは羽ばたいて辺りを旋回し、やがて戻って来て言った。

「ララさま。誰かがこちらを見ています。姿形からすると、子供のようです」

「子供? こんな森の中に?」

 ムーンが示す方を見ると、木陰から男の子が私たちを見ていた。
 監視、というよりはなにか訳ありのようだ。
 私たちが気付いたのを知ると、男の子は恐る恐る近づいて来た。

「あの……商人さんですか?」

「ん? あっ? はい、そうです。私は旅商人です。怪しい者ではありません」

 そうだった。私は旅商人。自分で設定しておいて忘れるところだったわ。
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