追放された私は、悲劇の聖女に転生したらしいです
「あの森にはとても良質な木があるのですが、奥に深い洞窟がありまして、そこから恐ろしい呻き声が聞こえてくるのです。怪物がいるという噂で、今は誰も近寄りません」
「怪物ですか。怖いですね」
「ええ。あの洞窟は珍しい紫水晶がたくさん採れるのですけどねぇ」
「水晶?」
思わず叫んでしまった。現在、手持ちの宝石はごくわずか。旅の準備やらキャンプ道具やらで、魔法を使い過ぎ、かなり減ってしまっていた。これから当てもなく旅商人として暮らすなら、宝石や鉱石は必要不可欠。ここで水晶を補給出来れば、とても助かるのだけど……。振り返り、スピネとムーンを見ると、彼らは一瞬嫌そうな顔をした。主の邪な考えを感じとったのだ。
「悪いことは言いません。あの森は迂回した方が身のためです」
ブルッと震えながら、父親はハイネと一緒に川向こうに帰っていった。
静かになった河原で、第一声をあげたのはムーンだった。
「ララさま、もしや洞窟へ行こうとお考えでは?」
「お考えです」
「どうしても?」
「どうしても、です!」
「怪物ですか。怖いですね」
「ええ。あの洞窟は珍しい紫水晶がたくさん採れるのですけどねぇ」
「水晶?」
思わず叫んでしまった。現在、手持ちの宝石はごくわずか。旅の準備やらキャンプ道具やらで、魔法を使い過ぎ、かなり減ってしまっていた。これから当てもなく旅商人として暮らすなら、宝石や鉱石は必要不可欠。ここで水晶を補給出来れば、とても助かるのだけど……。振り返り、スピネとムーンを見ると、彼らは一瞬嫌そうな顔をした。主の邪な考えを感じとったのだ。
「悪いことは言いません。あの森は迂回した方が身のためです」
ブルッと震えながら、父親はハイネと一緒に川向こうに帰っていった。
静かになった河原で、第一声をあげたのはムーンだった。
「ララさま、もしや洞窟へ行こうとお考えでは?」
「お考えです」
「どうしても?」
「どうしても、です!」