追放された私は、悲劇の聖女に転生したらしいです
「私なんか……じゃありません! もっと自信を持ちなさい。あなたはとても素晴らしい人。このグリーランドで、私たちのために惜しみなく魔法を使ってくれた。秘密ばかりの怪しい民のためにね。これは誰にでも出来ることではないの。わかる?」

 やはり、敵わないと思った。ヘンルーダはいつも、私に欲しい言葉をくれる。困った時、迷った時、そっと背中を押してくれるような優しい言葉。母のような慈愛の瞳を見て、私は自然と頷いていた。

「そう! よかったわ。では、着てみてくれる? 合わないところはすぐにグレイスが直すから」

 グレイスから衣装を受け取り、着慣れた旅商人の服を脱いで着替える。滑らかな生地が優しく肌に触れると、得も言われぬ気持ちよさに頬が緩んだ。サイズはあらかじめ合わせてくれていたのか、ほぼぴったり。小さい私に合わせて直したなら、相当生地が余っただろうと申し訳なく思いつつ、着心地の良さを堪能した。

「まああ、素敵!」

「本当に! よくお似合いですよ、ララさん」

ヘンルーダとグレイスは手を取り合って絶賛した。

「ありがとうございます。大切に着ます」
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