追放された私は、悲劇の聖女に転生したらしいです
 強気で言うと、ドラゴンは黙り込んだ。紫水晶を核にして、ドラゴンを新しく創造することは可能だ。いつもと同じようにすればいい。でも、これほど大きい宝石を使うのは初めてなので、若干不安でもあった。強気な発言は、ドラゴンにと言うよりも自分を鼓舞するためのものだ。

『オネガイ……シマス』

決断をしたドラゴンは遠慮がちに言った。

「うん! じゃあ、ひとつ頑張りますか!」

 腕まくりをして、大きく肩を回す。スピネとムーンが、ドラゴンの誕生を想定して少しだけ後退ると、私は紫水晶に両手を翳した。内に力を集めてゆっくり吐く。吐いた息が両手を伝い、紫水晶の周囲を巡り始めるのを見て、創造を開始した。気高き最後のドラゴンは、世にも珍しいアメジスト色の鱗を持ち、大空を翔る。その翼は千里を一瞬で飛翔し、悪しき者を払う爆炎を噴く。
 イメージが定まると光の粒子が舞う。眩しいほどの粒子がきらめいて爆発するように弾けると、そこには、美しい紫色のドラゴンがいた。

「成功ね! えーっと、どうかな? あれ? 気に入らない?」
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