追放された私は、悲劇の聖女に転生したらしいです
 アメジストの指輪とムーンストーンのペンダントがゴゴゴゴゴと恐ろしい音を出すと、アメちゃんとムーンが、飛び出した。それと同時に、背後から地響きのような音がして大きな黒い塊が大男目掛けて襲い掛かった。黒い塊はスピネである。アメちゃんを見た男たちは、慌てふためき逃げようとするが、退路をムーンに塞がれて風前の灯火。大男もスピネの牙を防ぐので精一杯だ。
 私の危機を察知して、颯爽と現れてくれたことはただ素直に嬉しい。だけど、今止めないと怪我人、最悪死人が出てしまいそう。彼らはなにか誤解をしているのかもしれないし、落ち着いて話を聞けば、理解し合えるかも。とにかく一刻も早く守護獣たちを止めないと……。
 そう思い声をあげようとしたその時。
 空気を切り裂くような、伸びやかな声が響き渡った。

「双方、そこまで!」
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