タケノコ令嬢は今日もタケノコ掘りで忙しい
 この人は暇なのか? とロッサナは思っていたが、わざわざタケノコに興味を持って来てくれたくらいだから、その言葉を正直に口にするのはやめた。
 いざとなったらタケノコ堀り要員にカウントしておこう。

 タケノコも冷めたようなので、包丁で適当な大きさに切る。それから浸水しておいたお米をざるにあけて余計な水気をきる。お米三合ということは、だし汁は六百ミリリットル。お米を鍋に入れ、だし汁をいれて、上にタケノコをちらす。そして、火にかける。

「あとは、炊きあがるのを待つだけですよ。あと一時間もすれば、炊きあがると思います」
 さっきから黙って人の作業を見ていたエドアルドに声をかけた。

「それ、食べられるのか?」
 エドアルドが指したそれとは、残っているタケノコのこと。残ったタケノコはあく抜きをしてしまったため、ボウルにきれいな水を張ってそこにいれてある。
「はい、食べられます。食べてみますか?」
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