タケノコ令嬢は今日もタケノコ掘りで忙しい
 夕飯を終え、部屋で竹林の地図をまとめていたところ、「ロッサナ、少しお話があるの」と祖母に呼ばれた。この時間に祖母から呼ばれるのは珍しい。まあ、昼間もほとんどの時間を竹林で過ごしているし、他の畑や田んぼへと足を運んでいるのもあり、最近は祖父母との会話の時間もなかなかとれていない。

 談話室へと足を運ぶと、祖父母が並んで座っていた。怖い顔で皺を刻んでいるのではなく、にこにこと笑っている。

「ロッサナ、そこに座ってちょうだい」
 向かいの席を促される。言われるがままに腰をおろすと。
「あなたに求婚者が現れたのだけれど、結婚する気はある?」
 祖母の手の中には一通の封書が握られている。

 ロッサナは目を大きく見開いた。「それはトスカーニ家に届いたものですか? それともフェレーリ家に届いたものですか?」
 ロッサナがフェレーリ家の養子になったのはここ数か月の話だ。
「安心してちょうだい、トスカーニ家は関係ないわ」
 と祖母が言う。
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