因縁の御曹司と政略結婚したら、剝き出しの愛を刻まれました
飲み物はシャンパンとワイン、日本酒など、各々好きなものを飲んでいる。
光圀さんはというと、最初から日本酒ひと筋。顔色ひとつ変えずに飲むので、おそらくアルコールに強いのだろう。
私は逆に弱いので、乾杯のシャンパンだけいただいたあとは、ウーロン茶に変えた。
「先代の頃にはあり得なかったパーティーだわ。食べるだけでいいって最高ね」
テーブルの料理もあらかた減ってきた頃、斜め前にいる家政婦の柴田さんが、上機嫌で話した。彼女の隣には楓子さんがおり、上品にワインを嗜んでいる。
「そうね。でも、きっと先代は天国で渋い顔をしてらっしゃるわ。醍醐家の品位が損なわれるって。こんな安っぽいパーティー、いったい誰が思いついたのかしらね」
楓子さんが、さりげなく私に冷たい視線を送った。
このパーティーが私の発案だと想像し、わざと言っているのだ。こういう席に参加している時くらい、嫌味を引っ込めてくれればいいのに……。
「和華」
悶々としながら切り分けたケーキを口に運んでいると、光圀さんに呼ばれたので顔を上げる。
その直後、彼の手が顎に添えられ、唇の端に親指が触れた。