因縁の御曹司と政略結婚したら、剝き出しの愛を刻まれました
光圀さん、やっぱりおかしい。普段は一滴も飲まない人だから、こんな風に酒癖に問題があるとはまったく知らなかった。
「み、光圀さん? お水飲んだ方がいいですよ」
「水? そうだな……きみが口移ししてくれるなら飲んでもいい」
すっかりキャラが変わり、意地悪く片側の口角を上げた光圀さんがますます迫ってくる。
この状況で口移しなんて、無理に決まってるのに~!
伊織さんの不安げな視線に加え、家政婦たちの好奇の視線も感じ、恥ずかしくてたまらない。
「先生、和華さんがお困りです」
「困らせているのだから当たり前だ」
「みみ、光圀さん、正気になってください……っ!」
泣きそうになりながら訴えるも、光圀さんはとうとう私の手首を捉えて床に押し倒す。
柴田さんが思わずといった感じに、「きゃ~」と黄色い声を上げた。
楓子さんの反応はわからないが、冷めた目で見られているに違いない。
「み、光圀さん……?」
ドキドキしながら見上げた先の光圀さんは、意外にも穏やかな表情だった。
「ありがとう、和華。クリスマスは楽しいものだと教えてくれて」
そんな言葉とともに、甘やかな視線が降り注ぐ。
光圀さん、楽しいと思ってくれていたんだ。酔っている彼からの言葉だとしても、じんわり胸が温かくなった。