因縁の御曹司と政略結婚したら、剝き出しの愛を刻まれました
……にしても、この恥ずかしい態勢をいい加減なんとかしなければ。
「あのう、そろそろ手を放してくださ――」
頼んでいた途中で、光圀さんがどさりと私の体にのしかかってきた。
光圀さんの香りと温もりがダイレクトに伝わり、心臓が口から飛び出そうになる。
「ちょっと、光圀さん……っ!」
突然のことに目を白黒させながら、大きな体をなんとか押し返そうと肩を押す。
しかし彼はぴくりとも動かず、耳元にある彼の口からは、規則的な呼吸が聞こえてきた。
もしかして、このタイミングで寝落ち……!?
「あの、伊織さん……。光圀さん、寝ちゃったみたいです」
姿は見えないが、半泣きで呼びかける。
テーブルの向こうからすぐさま回ってきてくれた伊織さんは、目を細めて苦笑した。
「先生がこんなに酔う姿、始めて見ますよ」
話しながら「よっ」と光圀さんの体を持ち上げ、私を解放してくれた。
ホッと息をつき、光圀さんを肩に担いだ伊織さんの助けに入る。
一八〇センチ以上ある光圀さんの体は、ふたりで支えなければすぐに倒れてしまいそうだ。