因縁の御曹司と政略結婚したら、剝き出しの愛を刻まれました
「俺は、きみのことが好きだ」
私は思わず目を見開いた。私もまったく同じことを言おうとしていたのに、先を越されてしまった。
しかし、待ち望んでいたはずのひと言を、簡単に信じられなかった。
「光圀さん、今度は無理してませんよね? 火傷の責任を取るため、義務で私を好きになろうとしてませんよね……?」
しつこいかもしれないけれど、どうしても不安だった。
私との結婚自体、彼にとって最初は罪滅ぼしでしかなかったから。また〝私が望むなら〟と自分を殺し、私を好きだと思い込もうとしているのではないかと。
「俺のせいで、そんな風に思わせてすまない。結婚当初は確かにそうだったが、今は違う」
光圀さんが、私の前髪をそっと避け、微かに残る火傷の跡に触れる。
「この傷ごと、和華のすべてを愛したい。義務でも贖罪でもなく、俺自身が心からきみを求めているから」
「光圀さん……」
甘い瞳に見つめられ、微かな疑いも溶けていく。
代わりに大きな喜びが胸を満たしていき、私は潤んだ目で彼を見つめ返した。
「私も、あなたが好きです」