因縁の御曹司と政略結婚したら、剝き出しの愛を刻まれました

 光圀さんはたまらなくなったように私の後頭部に手を添え、自分の胸に押しつける。

 白檀の香りがほのかに鼻腔をくすぐり、トクトクと速いリズムを刻む彼の鼓動が聞こえる。

 夫婦としてようやく気持ちが重なり合った実感で、胸がいっぱいになる。

 そのまま彼の温もりに浸っていたかったけれど、光圀さんはそっと体を離すと私の顔を覗いた。

「和華。今夜、きみを抱きたい。……いいか?」

 光圀さんは瞳に熱を孕ませながらも、私を気遣うように優しく尋ねる。

 断る理由はない。私は処女でなにも知らないけれど、光圀さんのすべてに触れたいという衝動が自分の中にあることだけは、本能的にわかるから。

「はい」

 恥ずかしくて俯きがちに答えると、光圀さんはもう一度私を抱き寄せ「大切に愛すよ」と約束した。

 先に私が入浴を済ませ、彼の部屋に戻る。

 光圀さんのリクエストで、今夜は彼と揃いの浴衣と丹前を身に着けた。私が知らないうちに用意してくれてあったらしい。

 体は綺麗にしたし、顔には薄くメイクをした。あとは心の準備だけ……。

 並んで敷いた二枚の布団の上でそう思っているうちに、光圀さんが風呂場から戻ってくる。

 いよいよかと思うと、心臓が口から飛び出しそうなほど動揺した。

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