因縁の御曹司と政略結婚したら、剝き出しの愛を刻まれました

 けれど、薄暗いピンクのドームに閉じ込めれて彼に見下ろされるのは、また別のドキドキがある。

 お互いの呼吸音がより近くに聞こえるし、空気の逃げ場がなくて、嫌でも体が熱くなってしまう。

「今度はきみも、積極的になって」

 光圀さんは甘い低音でそんなおねだりをすると、キスの続きを再開する。

 おずおず舌を伸ばすと、先端を彼の舌先にくすぐられ、ビクッと体が跳ねる。
キスだけなのに、いやらしい気持ちになる。

 私がそうなるのをわかっていてやっている光圀さんは意地悪だ。

「実家のきみのベッドで、声を押し殺してキスに夢中になる……この背徳感は癖になりそうだな」
「ダメ、今日だけです……っ」
「それは残念だ。じゃ、今日の内に存分に楽しむとするか」
「んっ……んぅっ」

 久しぶりに会えた喜びを噛みしめるように、そしてまたしばらく会えなくなる寂しさを埋めるように。

 私たちはその密やかで甘い官能的なひとときに、時間の許す限り溺れた。

< 226 / 230 >

この作品をシェア

pagetop