因縁の御曹司と政略結婚したら、剝き出しの愛を刻まれました

 そして、あっという間に三歳の誕生日が過ぎ――。

「はいはーい、三人とも、こっち向いて!」

 十一月の晴れた日曜日。私たち家族三人は、停車中の人力車に並んで座っていた。

 光圀さんと徹志は、お揃いの紋付き袴。私は薄桃色の訪問着で正装している。今日は徹志の七五三のお祝いなのだ。

 私はてっきり、男の子は五歳だけお祝いするものだと思い込んでいたけれど、地域や家庭により祝い方は様々だそう。

 醍醐家では昔から男の子でも三歳と五歳の二回、お祝いをしているそうなので、伝統にならって徹志のお祝いをすることに決めた。

 人力車の前方でカメラを構えているのは、イケメン車夫として相変わらず精力的に働いている兵吾くん。

 傍らでは、最近おめでたが発覚したばかりの貴英も一緒に、私たちを見守っている。

 徹志が生まれてすぐの頃、出産祝いを手に醍醐家を訪れてくれたふたりに、私はようやく中学時代の火傷の本当の原因を話した。

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