没落令嬢は今日も王太子の溺愛に気づかない~下町の聖女と呼ばれてますが、私はただの鑑定士です!~
伯爵が畑仕事をするものなのかと疑問に思ったのであろうが、オデットはルネの眉が寄ったのを見てジャガイモに不満があるのだと勘違いした。
「そうよね。コロンベーカリーの皆さんにはいつもお世話になっているのに、ジャガイモだけなんて失礼だったわ。ごめんなさい。栗のシロップ漬けもあるのよ。後で持ってくるわね。それはお母さんの手作りなの」
オデットの両肩を掴んでいる手に力が加わり、さらに不機嫌そうな顔をされた。
「お土産はなんでもいいわよ。そうじゃなくて、もっと他に私に報告することがあるでしょ?」
「あ、弟のリュカのことね。お喋りが上手になっていて嬉しかったわ。最初は警戒されちゃったんだけど、私が帰る時には、おねえたんと一緒に行くって泣かれて……」
可愛い弟と別れるのは、オデットもつらかった。
リュカの泣き顔を思い出し思わず目を潤ませたら、ルネに大声で叱られる。
「そんなほのぼのした話が聞きたいんじゃないのよ! オデットの結婚はどうなったの?」
国王に待ったをかけられている状況なのは、心配をかけそうなのでまだルネに教えていない。
「そうよね。コロンベーカリーの皆さんにはいつもお世話になっているのに、ジャガイモだけなんて失礼だったわ。ごめんなさい。栗のシロップ漬けもあるのよ。後で持ってくるわね。それはお母さんの手作りなの」
オデットの両肩を掴んでいる手に力が加わり、さらに不機嫌そうな顔をされた。
「お土産はなんでもいいわよ。そうじゃなくて、もっと他に私に報告することがあるでしょ?」
「あ、弟のリュカのことね。お喋りが上手になっていて嬉しかったわ。最初は警戒されちゃったんだけど、私が帰る時には、おねえたんと一緒に行くって泣かれて……」
可愛い弟と別れるのは、オデットもつらかった。
リュカの泣き顔を思い出し思わず目を潤ませたら、ルネに大声で叱られる。
「そんなほのぼのした話が聞きたいんじゃないのよ! オデットの結婚はどうなったの?」
国王に待ったをかけられている状況なのは、心配をかけそうなのでまだルネに教えていない。