没落令嬢は今日も王太子の溺愛に気づかない~下町の聖女と呼ばれてますが、私はただの鑑定士です!~
モンテス商会は王都で一、二を争う貿易商社で、その社屋が五ブロック南にある。
レンガ壁の大きな四階建てで、従業員も相当数いるようだ。
経営者の一家の住まいはその隣の建物だと聞いたことがある。
オデットが知っている情報は少ないが、それを聞いたシュルビアはまたホッとしたように息をついた。
(不思議なことを聞くお客さんね……)
それから十分ほどして、ジュエリーを数点購入した子爵夫人とメイドが退店した。
ブルノと並んで見送ったオデットは、ドアを閉めてから気づく。
「あれ、ジェイさんは?」
キョロキョロするオデットに、テーブル上のカップやお菓子を片付けているルネが教える。
「オデットが接客中に帰ったよ」
「えっ、どうしよう。このネックレスを返そうと思っていたのに」
首に提げられたままのダイヤモンドに触れて眉尻を下げたら、ルネがニヤニヤする。
「いいじゃない。あげるって言うんだからもらっておきなよ」
「そんなに軽くもらっていいジュエリーじゃないわよ」
「服装は地味だったけど、ジェイさんはお金持ちなんでしょ? いいな。いったいどこで知り合ったのよ」
レンガ壁の大きな四階建てで、従業員も相当数いるようだ。
経営者の一家の住まいはその隣の建物だと聞いたことがある。
オデットが知っている情報は少ないが、それを聞いたシュルビアはまたホッとしたように息をついた。
(不思議なことを聞くお客さんね……)
それから十分ほどして、ジュエリーを数点購入した子爵夫人とメイドが退店した。
ブルノと並んで見送ったオデットは、ドアを閉めてから気づく。
「あれ、ジェイさんは?」
キョロキョロするオデットに、テーブル上のカップやお菓子を片付けているルネが教える。
「オデットが接客中に帰ったよ」
「えっ、どうしよう。このネックレスを返そうと思っていたのに」
首に提げられたままのダイヤモンドに触れて眉尻を下げたら、ルネがニヤニヤする。
「いいじゃない。あげるって言うんだからもらっておきなよ」
「そんなに軽くもらっていいジュエリーじゃないわよ」
「服装は地味だったけど、ジェイさんはお金持ちなんでしょ? いいな。いったいどこで知り合ったのよ」