没落令嬢は今日も王太子の溺愛に気づかない~下町の聖女と呼ばれてますが、私はただの鑑定士です!~
「ジェイさんと初デートなのに気合い入れないでどうするのよ。彼はイケメンのお金持ちだから絶対モテるわ。ぼやぼやしていたら他の女に取られるかもしれないよ」
(デートじゃないって何度も言ってるのに……)
今日はこれからグスマン伯爵の屋敷を訪ねる予定である。
グスマン伯爵は銀のスプーンに刻印されていた鷲の紋章を使っている貴族で、ジェラールが会う約束を取りつけてくれたのだ。
待ち合わせはメインストリートで。
相手は貴族なので今日の彼はジェイではなく王太子として訪問するそうで、それゆえカルダタンまで迎えに来られない。
待ち合わせの十六時まであと三十分となり、オデットはベージュの地味なハンドバッグを持った。
「もう時間がないからこの服でいいわ。お待たせしたら申し訳ないもの」
オデットを着飾りたいルネはまだ不満げだが、遅刻して彼の気分を害しては元も子もないのでやっとオデットを解放してくれた。
「行ってきます」
ブルノには前もってアランの事情を話してあり、出がけの挨拶をすると快く送り出してくれた。
汗ばむ陽気の中、オデットは日陰を選んで三十分ほど歩き、メインストリートに出た。
(デートじゃないって何度も言ってるのに……)
今日はこれからグスマン伯爵の屋敷を訪ねる予定である。
グスマン伯爵は銀のスプーンに刻印されていた鷲の紋章を使っている貴族で、ジェラールが会う約束を取りつけてくれたのだ。
待ち合わせはメインストリートで。
相手は貴族なので今日の彼はジェイではなく王太子として訪問するそうで、それゆえカルダタンまで迎えに来られない。
待ち合わせの十六時まであと三十分となり、オデットはベージュの地味なハンドバッグを持った。
「もう時間がないからこの服でいいわ。お待たせしたら申し訳ないもの」
オデットを着飾りたいルネはまだ不満げだが、遅刻して彼の気分を害しては元も子もないのでやっとオデットを解放してくれた。
「行ってきます」
ブルノには前もってアランの事情を話してあり、出がけの挨拶をすると快く送り出してくれた。
汗ばむ陽気の中、オデットは日陰を選んで三十分ほど歩き、メインストリートに出た。