没落令嬢は今日も王太子の溺愛に気づかない~下町の聖女と呼ばれてますが、私はただの鑑定士です!~
この辺りは高級店が多いのであまり来ることがない。
待ち合わせの衣料品店前はどこだろうと見回したら、店より先にジェラールの馬車を見つけた。
通りをまたいだ向こう側に、王家の獅子の紋章をつけた二頭引きの立派な馬車が停まっていた。
風景が映るほど磨き抜かれた黒い車体には金装飾が施され、御者までタキシードにシルクハットと立派な装いである。
オデットにしてみれば身なりがよく裕福そうな通行人たちが、気後れしたように王家の馬車を避けていた。
(私、今からあの馬車に乗るのよね?)
デートではないけれどルネの言うように、もう少し服装に気を使った方がよかったと後悔した。
広い通りを横切りおそるおそる馬車に近づくと、御者がうやうやしく開けたドアからジェラールが降りてきた。
馬車の横には屈強そうな護衛の騎士もひとり立っている。
お忍びの時は自由にひとりで城下を歩いているジェラールだが、王太子として振る舞う時には護衛が必要なようだ。
ライトグレーの夏物のジャケットにブラウス、白いズボンという爽やかな出で立ちのジェラールは、襟のジャボにダイヤモンドのブローチを留めていた。
待ち合わせの衣料品店前はどこだろうと見回したら、店より先にジェラールの馬車を見つけた。
通りをまたいだ向こう側に、王家の獅子の紋章をつけた二頭引きの立派な馬車が停まっていた。
風景が映るほど磨き抜かれた黒い車体には金装飾が施され、御者までタキシードにシルクハットと立派な装いである。
オデットにしてみれば身なりがよく裕福そうな通行人たちが、気後れしたように王家の馬車を避けていた。
(私、今からあの馬車に乗るのよね?)
デートではないけれどルネの言うように、もう少し服装に気を使った方がよかったと後悔した。
広い通りを横切りおそるおそる馬車に近づくと、御者がうやうやしく開けたドアからジェラールが降りてきた。
馬車の横には屈強そうな護衛の騎士もひとり立っている。
お忍びの時は自由にひとりで城下を歩いているジェラールだが、王太子として振る舞う時には護衛が必要なようだ。
ライトグレーの夏物のジャケットにブラウス、白いズボンという爽やかな出で立ちのジェラールは、襟のジャボにダイヤモンドのブローチを留めていた。