没落令嬢は今日も王太子の溺愛に気づかない~下町の聖女と呼ばれてますが、私はただの鑑定士です!~
それからドア前に控えている執事に問う。
「十六年前に勤めていたシュルビアという名のメイドについて知りたい。実家の住所などがわかる記録物はない?」
「この館に仕える者は下女に至るまで身元をあらためられます。過去の使用人に関しましても実家の住所を記した名簿があるはずです」
これでアランの母親を見つけ出せると期待を膨らませたオデットだが、そう簡単にいかないようだ。
ジェラールが借りたいと頼んだら、執事が一拍黙ってから淡々と答える。
「使用人名簿は旦那様が管理しておりますので、私が勝手に持ち出すことはできません」
一度帰ったと見せかけこうして裏で詮索しているのがバレてもいいのなら、と執事は言いたげだ。
「それなら十六年前から勤めている使用人に話を聞きたい」
「残念ながら、この屋敷の使用人の中で私が一番の古株です」
嘆息したジェラールは顎に拳をあてて管理簿を見つめ、他の方法を模索している様子。
「シュルビア。我が国ではシルビアが一般的だ。北欧系か? 戸籍を調べようにも姓がわからないからな。文句を言われそうだがカディオに調査させるか……」
(あら?)
「十六年前に勤めていたシュルビアという名のメイドについて知りたい。実家の住所などがわかる記録物はない?」
「この館に仕える者は下女に至るまで身元をあらためられます。過去の使用人に関しましても実家の住所を記した名簿があるはずです」
これでアランの母親を見つけ出せると期待を膨らませたオデットだが、そう簡単にいかないようだ。
ジェラールが借りたいと頼んだら、執事が一拍黙ってから淡々と答える。
「使用人名簿は旦那様が管理しておりますので、私が勝手に持ち出すことはできません」
一度帰ったと見せかけこうして裏で詮索しているのがバレてもいいのなら、と執事は言いたげだ。
「それなら十六年前から勤めている使用人に話を聞きたい」
「残念ながら、この屋敷の使用人の中で私が一番の古株です」
嘆息したジェラールは顎に拳をあてて管理簿を見つめ、他の方法を模索している様子。
「シュルビア。我が国ではシルビアが一般的だ。北欧系か? 戸籍を調べようにも姓がわからないからな。文句を言われそうだがカディオに調査させるか……」
(あら?)