没落令嬢は今日も王太子の溺愛に気づかない~下町の聖女と呼ばれてますが、私はただの鑑定士です!~
ジェラールの独り言に引っかかりを覚えたオデットも考えに沈む。
(少し前に私も似たようなことを思った気がするわ。シュルビアは珍しい名前ねって。いつだったかしら……)
「あっ!」
オデットが急に声をあげてパチンと手を叩いたから、ジェラールを驚かせてしまった。
「ごめんなさい。あの、思い出したんです」
「なにを?」
「アランさんが来店された日の三日前に――」
王都は久しぶりだという子爵夫人がカルダタンを訪れ、アンティークジュエリーを数点購入していった。
子爵夫人には三十歳くらいのメイドが同行していて、たしか『シュルビア』と呼ばれていた気がする。
オデットはテーブルに身を乗り出すようにしてジェラールに問う。
「殿下がこのネックレスをくださった日です。覚えていませんか?」
「ああ、ブラウン子爵夫人か。あの人とは顔見知りだから、気づかれる前にそっと店を出たんだ。俺はメイドの名を聞いていないが、シュルビアというのか」
「はい。そういえばシュルビアさん、銀食器のショーケースをじっくり見ていらっしゃいました。モンテス商会についても私に尋ねてきたんです」
(少し前に私も似たようなことを思った気がするわ。シュルビアは珍しい名前ねって。いつだったかしら……)
「あっ!」
オデットが急に声をあげてパチンと手を叩いたから、ジェラールを驚かせてしまった。
「ごめんなさい。あの、思い出したんです」
「なにを?」
「アランさんが来店された日の三日前に――」
王都は久しぶりだという子爵夫人がカルダタンを訪れ、アンティークジュエリーを数点購入していった。
子爵夫人には三十歳くらいのメイドが同行していて、たしか『シュルビア』と呼ばれていた気がする。
オデットはテーブルに身を乗り出すようにしてジェラールに問う。
「殿下がこのネックレスをくださった日です。覚えていませんか?」
「ああ、ブラウン子爵夫人か。あの人とは顔見知りだから、気づかれる前にそっと店を出たんだ。俺はメイドの名を聞いていないが、シュルビアというのか」
「はい。そういえばシュルビアさん、銀食器のショーケースをじっくり見ていらっしゃいました。モンテス商会についても私に尋ねてきたんです」