没落令嬢は今日も王太子の溺愛に気づかない~下町の聖女と呼ばれてますが、私はただの鑑定士です!~
「シュルビアさんを覚えているようなので紹介はいりませんね。彼女は私が呼びました。この前お見せした銀のスプーンについて事情を知っているからです。グスマン伯爵も気になっていたでしょうから今日は一緒に彼女の話を聞いてもらいたい」
「いえ、私は――」
「座ってください」
有無を言わせぬ態度のジェラールに指示され、伯爵は着席した。
その顔色は悪い。
(気まずそうね。どうしたのかしら?)
十六年前に銀のスプーンと一緒に行方をくらましたシュルビアがそうするならわかるが、なぜ伯爵がとオデットは疑問に思った。
同じように伯爵夫人も夫の様子に首を傾げる中、ジェラールが懐から例のスプーンを取り出した。
それを指先で遊ばせながら立ち上がり、ゆっくりと歩きだす。
足を止めたのはシュルビアの真後ろだ。
「十六年前、あなたはこの館から銀のスプーンを持ち去りました。そうですね?」
「はい。申し訳ございません……」
シュルビアは小声で謝り、頭を下げる。
伯爵夫人が眉を寄せて首を横に振った。
「いえ、私は――」
「座ってください」
有無を言わせぬ態度のジェラールに指示され、伯爵は着席した。
その顔色は悪い。
(気まずそうね。どうしたのかしら?)
十六年前に銀のスプーンと一緒に行方をくらましたシュルビアがそうするならわかるが、なぜ伯爵がとオデットは疑問に思った。
同じように伯爵夫人も夫の様子に首を傾げる中、ジェラールが懐から例のスプーンを取り出した。
それを指先で遊ばせながら立ち上がり、ゆっくりと歩きだす。
足を止めたのはシュルビアの真後ろだ。
「十六年前、あなたはこの館から銀のスプーンを持ち去りました。そうですね?」
「はい。申し訳ございません……」
シュルビアは小声で謝り、頭を下げる。
伯爵夫人が眉を寄せて首を横に振った。