没落令嬢は今日も王太子の溺愛に気づかない~下町の聖女と呼ばれてますが、私はただの鑑定士です!~
そんな時に聞いたモンテス商会のお家事情は、彼女に希望を与えた。
「私の子も男。養子にしてくれるんじゃないかと思ったんです。裕福な家庭で衣食住に困らない生活をさせてあげたかった……」
子供を手放したシュルビアは王都を離れ、ブラウン子爵の田舎屋敷でメイドの職を得た。
そして十五年経ってブラウン子爵夫人の付き添いで王都に戻ってきたら、子供への心配が膨らんだ。
「あの子は養子となって幸せに暮らしているはずだと自分に言い聞かせて過ごして参りました。でも本当にそうだろうかと不安になったんです。それでカルダタンでは――」
もしお金に困る生活をしているなら銀のスプーンは売るはずで、カルダタンのショーケースにあのスプーンがなかったからホッとしたそうだ。
もちろん王都には銀食器を買い取る店が他にもあるし、今現在カルダタンの店頭に並んでいなくても過去にそのスプーンが売買された可能性もある。
シュルビアはそれについては考えないようにし、息子がなに不自由なく幸せに暮らしている証拠だと思い込もうとしたという。
(私に妙な質問をした理由がやっとわかったわ)
「私の子も男。養子にしてくれるんじゃないかと思ったんです。裕福な家庭で衣食住に困らない生活をさせてあげたかった……」
子供を手放したシュルビアは王都を離れ、ブラウン子爵の田舎屋敷でメイドの職を得た。
そして十五年経ってブラウン子爵夫人の付き添いで王都に戻ってきたら、子供への心配が膨らんだ。
「あの子は養子となって幸せに暮らしているはずだと自分に言い聞かせて過ごして参りました。でも本当にそうだろうかと不安になったんです。それでカルダタンでは――」
もしお金に困る生活をしているなら銀のスプーンは売るはずで、カルダタンのショーケースにあのスプーンがなかったからホッとしたそうだ。
もちろん王都には銀食器を買い取る店が他にもあるし、今現在カルダタンの店頭に並んでいなくても過去にそのスプーンが売買された可能性もある。
シュルビアはそれについては考えないようにし、息子がなに不自由なく幸せに暮らしている証拠だと思い込もうとしたという。
(私に妙な質問をした理由がやっとわかったわ)