没落令嬢は今日も王太子の溺愛に気づかない~下町の聖女と呼ばれてますが、私はただの鑑定士です!~
銀のスプーンの在庫やモンテス商会について尋ねられたことにオデットは納得した。
王都は初めてだとブラウン子爵夫人に嘘をついたのは、以前の勤め先で盗みを働いてしまったと知られたくなかったからだろう。
オデットは幼い弟のリュカを思い出し、眉尻を下げた。
(離れていてもずっと気がかりよね。どうしているだろうって毎日思っていたんじゃないかしら。幸せに暮らしていると信じ込まないと不安で心が壊れてしまうわ)
けれどもアランの人生は、シュルビアが期待していたものとは程遠い。
「シュルビアさん、ソファに座ってください」
ジェラールに促されてやっと立ち上がったシュルビアは、伯爵夫人にもう一度頭を下げて詫びてから静かに着席した。
「王太子殿下がブラウン子爵様を通じてお手紙をくださったんです。今日は息子のアランについて教えていただけるとお聞きしましたので、こちらに参りました」
手放した自分には会う資格はないが、話だけでも聞かせてもらいたいと思って遠路はるばる王都までやってきたそうだ。
夫の過去の不貞を聞かされた夫人は頭を抱えるようにしてうつむいている。
王都は初めてだとブラウン子爵夫人に嘘をついたのは、以前の勤め先で盗みを働いてしまったと知られたくなかったからだろう。
オデットは幼い弟のリュカを思い出し、眉尻を下げた。
(離れていてもずっと気がかりよね。どうしているだろうって毎日思っていたんじゃないかしら。幸せに暮らしていると信じ込まないと不安で心が壊れてしまうわ)
けれどもアランの人生は、シュルビアが期待していたものとは程遠い。
「シュルビアさん、ソファに座ってください」
ジェラールに促されてやっと立ち上がったシュルビアは、伯爵夫人にもう一度頭を下げて詫びてから静かに着席した。
「王太子殿下がブラウン子爵様を通じてお手紙をくださったんです。今日は息子のアランについて教えていただけるとお聞きしましたので、こちらに参りました」
手放した自分には会う資格はないが、話だけでも聞かせてもらいたいと思って遠路はるばる王都までやってきたそうだ。
夫の過去の不貞を聞かされた夫人は頭を抱えるようにしてうつむいている。