エリート警察官は彼女を逃がさない
そんなことをしていると、見慣れた景色が見えてきた。
「この辺りで大丈夫です」
「家を知ったからと言って押しかけたりしないよ。一応警察官だからね」
すこしおどけた様に言った彼に、私は苦笑しつつ家までの道を案内した。
「ありがとうございました」
今度こそ家の前まで送ってもらい、ドアノブに手をかけながら頭を下げれば後ろから声を掛けられる。
「美緒、また会ってくれる?」
いきなり名前で呼ばれるなんて普通だったら、嫌悪感を覚えるか手が出てしまう気がしたが私の頬は熱を帯びただけだった。
「スマホだして」
拒否しようと思えばもちろんできたのに、私はそれをすることはなかった。
バッグからスマホを出すとお互いの連絡先を交換する。
きっとただのエリートの気まぐれだろう。そう思うも少しだけこの人を知りたい。そう思ってしまった。