エリート警察官は彼女を逃がさない

「どかからでもこい」
父のその声に、征爾さんは素早く踏み込むと奥襟を取ろうと手を伸ばす。

「経験者か」
父の声音が変わり、動きが変わったのがわかる。警察官ならば確かに柔道は経験済みかもしれない。

でも相手が悪い。
そう思っていたが、五分経っても決着はつかず二人とも息が上がっている。

「やるな」
父の武道家としての血が騒ぐのか、楽しそうに笑う。

「お父さん、もう目的忘れてるかもしれないわね」
のんきに母が言うのを、私はハラハラしながら見守る。そんな時、父が奥襟を素早く取り素早く技をかける。
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