呪われた令嬢はヘルハウスに嫁ぎます!
ヘルハウスに来てから数日。

何故こんなことになっているのだろう。



毎夜、あのジュリアというお化けに付きまとわれて、ベッドに潜り込んでくる。

しかも、俺とジュリアのためだと、高級ベッドまで、ガイウスは購入してきた。



何故、お化けと寝るのにキングサイズばりの大きなベッドを買うのだ!?

このベッドの装飾は匠の腕が光っているぞ!



『ダーリン~~! お待たせ~~!』

「待ってない! く、来るなー!」

『いやん、照れ屋さん~~!』



お化けの時間になると、ジュリアは真っ先に俺のところに来る。



何故だ! ガイウスは可愛いリーファと一緒なのに、何故俺はお化けにストーカーされるのだ!



しかし、今は城に帰れない。

貴族の令嬢たちも正直近づきたくない。

お茶会すら、何が入っているのかわからず、落ち着いて飲めない。

晩餐に出るワインでさえ、疑ってしまう。



『あら、ガイウスはデートかしら? ダーリン、私たちもデートしましょう~~!』



窓の外をみると、ガイウスとリーファが夜の庭を歩いている。

ガイウスはリーファを見つめ、しっかりと肩を抱き寄せている。

そんなガイウスに、リーファは恥ずかしながらも微笑む。

あんなリーファの笑顔はみたことがない。



あの隣が自分なら……。



あんなことをしなければ、リーファは俺を好きになってくれただろうか。



『ダーリン~~どうしたの? 行くわよ~~』

「はぁー、あの隣が俺なら……」

『ガイウスと歩きたかったの~~?』

「全く違う!」

『でも、リーファなら無理よ~~あの娘はガイウスのことでいっぱいよ~~?』



なんでガイウスなんだろうか。

あの夜会で出会ったのは、俺が先だったのに……。



考えても考えても、もうリーファに手はだせない。

リーファがいなければ、きっと父上も兄上も助からなかった。

リーファにもガイウスにも感謝はしている。

それに、リーファが死ぬのは耐えられない。

あんなリーファはもうみたくない。



そう思うと、窓辺から目を反らし、このバカデカイベッドに入る。

そして、ジュリアも寄り添うようにベッドに入る。



『ダーリンったら積極的~~!』

「頼む……離れてくれ!」

『恋人は一緒に寝るものよ?』

「恋人じゃない!」



寒くて、悪寒が走るんだ!



とりあえず、ジュリアに背を向け膝を抱えて丸くなり、眠った。

正直、疲れている。

毎晩ジュリアから逃げ続け、毎日ロウにわけのわからん薬を飲まされ、ワインのテイスティングのように、ジュースに入った薬を当てなくてはならない日々。



疲れた……。

そのまま、疲れ果て眠っていた。



深夜に、ふと目が覚めると、ジュリアはまだ隣にいた。



しかし、恐ろしい!



寝てるのか、わからない!

その白目はなんだ!?



眼球はどこに行った!?



その白目で俺をみられると、背筋が凍る!



「ギャァーーーーーー!!」

『なに~~どうしたの? ダーリン?』

「目はどうした!?」

『えぇーー? んんーー! えいっ!』



何故、それで目が現れるんだ!?



「は、離れろーー!!」

『いやん、ダーリン。死んでも一緒よ~~』

「嫌だーー!!」



そして、今夜も、眠れなかった。









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