呪われた令嬢はヘルハウスに嫁ぎます!
リーファ様は今日も朗らかに笑っている。

ガイウス様に軟禁中だと言うのに、全くいやがらない。

怖がりながらも、お化けたちとも上手くやり、完璧なガイウス様の奥方だった。



そして、ガイウス様もリーファ様を溺愛している。

今日もリーファ様にドレスを注文しており、早速届いたところだった。



それを、地下で魔法薬を精製しているガイウス様に持って行く。



「ガイウス様。リーファ様の贈り物が届きました」

「注文していたドレスか?」

「はい」



ガイウス様は魔法薬の精製が上手くいかず、毎日リーファ様のために、必死だった。



「リーファに持って行く。噴水はどうなってる?」

「今夜にも水は引けそうです。ご注文の花は宵闇の街にあるだけのものは全て植えました」

「そうか……夜にはリーファに見せよう」



ガイウス様は密かに庭の噴水を修理なさり、リーファ様に贈りたいらしい。

この方が女性にあれだけするのは初めてだった。



今回のことで、陛下から、かなりのお金をいただいている。

ガイウス様への報奨金にリーファ様への慰謝料。

邸もくれると、言われたが、ガイウスは必要ないと断られた。



今まで、何にも欲を見せなかったガイウス様が、リーファ様のことだけは違い、少々驚いてしまった私ですが……二人を見るとお似合い過ぎて、仕事にやりがいがでてきていた。



夜には、噴水の水がひけ、ガイウス様は早速リーファ様を庭の噴水に誘っていた。



元々あった噴水が壊れたままだったのに、リーファ様のために、修理したのだ。



そして、周りには青く光る花。

ガイウス様は、宵闇の街中のこのブルーベルの花を買い占め、噴水の周りに植えたのだ。



リーファ様は、ガイウス様から贈られたドレスを身にまとい、二人で寄り添って庭へと行く。



……見たい! 私のエレガントな日常のためには、仲良し夫婦が見たい!



こっそり覗きに行こうとすると、廊下を全力疾走して来るアーサー様に捕まってしまう。



「ロウ! 助けてくれ!」

「どうされましたか?」

「ジュリアがまとわりついて来るんだ! 風呂に入りたいのに!」

「一緒に入ればいいではないですか」

「絶対に嫌だ!」

『ダーリン~~お湯が冷めるわよ~~』



ジュリアさんが、呑気に追いかけてくる。

よっぽど、アーサー様の外見がお好みらしい。



「ロウ! 頼む! 助けてくれ!」

「私は今から覗きという仕事があるのですが……」

「何の仕事だ!? まさか、リーファを覗くつもりか!?」

「ガイウス様とイチャイチャしているところを覗きたいのですよ」

『まあ、執事は見た! ね』

「ホッホッホッ……」

「なにを考えているんだ!」

「だから、二人の仲良しを見たいと……」



アーサー様はやめろ! と必死に止めてきた。

リーファ様に未練たらたらだが、邪魔をする気はないらしい。



「そんなことより、風呂についてきてくれ!」

「何が楽しくて、男の入浴を見なければならんのですか……?」

「怖いんだよ!」



そんな鬼気迫る様子で言われても、何が怖いのか……。



困りましたね……と思っていると、リーファ様に懐いてる白まで、庭に行こうとしていた。

リーファ様に抱っこをして欲しいのだろう。



「白、今はちょっと遠慮しますか」



白は、ぐるぐる回りながらどこかへ行く。



「何かいたのか?」

「アーサー様……見えないのですか?」

「ジュリアはハッキリとまとわりついている!」



どうやら、強いお化けじゃないと、アーサー様には見えないらしい。

もしかして、お化け不感症ですかね?

ジュリアさんにとりつかれても、毎晩元気に走り回る方ですし……。



ほっといてもいい気がしますね。



「ロウ!」

「仕方ないですね……覗きはまたにしますか」

『えぇ~~、邪魔~~』

「騒がしい方なのですよ。ジュリアさんはベッドでお待ちください」



仕方なく、アーサー様の入浴を見張りに部屋へと三人で歩く。

ジュリアさんは部屋につくなり、ベッドに飛び込み、アーサー様の湯上がりを待っている。



「部屋でお待ちしてますから、ごゆっくりどうぞ」

「ゆっくり出来ない……」



アーサー様は、げっそりとしながら入浴をしていた。









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