王女の選択
「ダンスを好きになれるかわからないわ」
「短時間でよくがんばったと思うよ」
最後にお互いカーテシーをすると、カーラは近くの椅子に座り込んだ。
「リュカに根気がなければ、無理だったわ」
「生徒が素晴らしかったからね」
二人はお互いを見て笑った。カーラはリュカにすっかり心を許し、自然と友達のように話すほどまでになった。
「あいつはもうとっくにカーラには甘いけど、このダンスを見たらメロメロだな」
「そんな嫌味、やめてちょうだい」
「わかった。じゃあダンスをするジェラルドを見たらカーラのほうがメロメロになっちゃうかもね」
リュカの言葉に、カーラは近くにあったクッションを投げつけた。
ジェラルドのダンスを想像しただけで、頬が熱くなっていく。そんなカーラを優し気に見つめていたリュカは茶化すように肘でカーラをつつきながらはやし立てた。
「あーあ。ごちそうさま。ダンスなんてなくても二人はとっくにメロメロだったね」
「リュカ。やめてちょうだい。今日はやることがたくさんあるんだから」