王女の選択

どうとは・・・・?

顔を真っ赤にさせ、うつむいたカーラにルドルフは思案顔で顎をさすった。

「交渉の時にお前が欲しいと話していただろう」

「そうですが・・・あの時以来その話はまったく・・・」

「先日協定書に署名をしたが、少し変更があった」

え・・・・

「お前のことは、書かれていなかった」

!?

カーラはショックのあまり、ただ茫然とルドルフを見返すことしかできなかった。

キスをされた。
抱きしめられた。
髪に何度も触れてきた。

でも、一度も愛していると言われたことはない。ただほしいと言われただけだ。
美しくもなければ、ダンスすらできない自分にあるものは、剣の腕と背中の傷だけ。

もう・・・ほしくないということ?


苦悩に満ちた表情のカーラの肩にそっと手をやると、ジェラルド殿に聞けばいいと反対側を指さした。
視線を上げると、表情を打ち消したジェラルドが礼拝堂の壁に寄りかかってこちらを見ていた。

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