王女の選択
ジェラルド・・・。
彼を見ただけで秘めていた思いが勢いよく膨れ上がり、のどが締め上げられる。
カーラは無意識のうちにルドルフの手から離れ、引き寄せられるように近づきジェラルドの前で止まった。
「ルドルフ殿と和解はできたか」
ジェラルドは小さく頷くカーラを見て、フッとほほ笑んだ。
「よかったな。ずっと自分の命を投げ打って私を助けようとした其方に褒美をやらねばと思っていた」
?!
「こうして今日、ドレス、庭園、ルドルフ殿は私が準備した。しかし、こんなものでは到底足りないというのもわかっている。カーラ、一つだけどんな望みでも叶えてやると言ったら、其方は何が欲しい?」
「ぇ・・・・」
褒美なんて何一ついらない。
私が・・・一番欲しいもの・・・
それは・・・一つしかない。
一番欲しいものはわがままな望みだとわかっている。
カーラは震えを抑え込むように両肘を抱えジェラルドを見つめたが、ジェラルドの表情からは何も読み取れない。
「もうたくさん・・・いただいております」
カーラは喉元に出かかった言葉を飲み込み、もうこれ以上はいただけませんと小声で答えた。
「・・・そうか」
ジェラルドは地面を見つめ何かを考えているようだったが、やがてカーラに視線を落とした。
「私が嫌いか?」
!?
何度も首を横に振って必死に否定する。
「其方が刺された時思ったのだ」
―――なぜ、自分の前に立ちはだかったのかと。
―――なぜ、私の命を助けようとしたのかと。