王女の選択

「そんなジェラルドが・・・」

ヴィクトーは言葉を区切ると、鋭い視線をカーラに向けた。

「そんなジェラルドが貴方を選び、貴方の周りにある棘をすべて取り除き、貴方の前を歩き、貴方が傷を負わないよう、貴方の代わりに全てを受け止めているというのに、何が不安なんです?」

「っ!・・・私は・・・」

「ジェラルドの愛の深さを解っていますか?」

カーラはハッとして視線を上げた。

「今の貴方がストラウスに行けば、側近の誰もがジェラルドに異議を唱えるでしょう。相応しくないと」

カーラは唇を震わせ、涙が零れ落ちないようにするのに必死だった。

「貴方の強さはどこに行ってしまったのですか?ジェラルドや私を魅了した貴方の強さは」

ヴィクトーはカーラの下に来ると膝をつき、カーラを優しく見上げた。

「不安に思うことなど何一つないのです。ジェラルドが貴方の不安の種となるものを全て取り除いているのですから」
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