王女の選択
「言ったでしょう。何も心配はないと」
「でもどうして・・・」
「それはジェラルド殿がカーラ殿を完璧に受け入れてもらえるよう、入念な準備を怠らなかったからです」
そうは言っても、我慢できず全てを台無しにするところでしたがねと嫌味を言うのも忘れない。カーラはジェラルドを覗き込むように見上げると、ジェラルドに尋ねた。
「何をしてくださったの?」
ジェラルドはカーラを見下ろしたまま口を閉じている。
ただそっとカーラの頬をに手を添えると、何も心配しなくていいと囁いた。
「でも私は・・・」
「吟遊詩人ですよ」
吟遊詩人・・・・・?
「ジェラルド殿は城内のお抱え吟遊詩人に手紙を書き、二人の物語を城内外で弾き語るよう伝えたのです」
二人の・・・物語・・・・?
「二人が戦場で出会い、ジェラルド殿が恋に落ち、ジェラルド殿の愛を受け取った奥方が、自分の命を投げ打ってまでジェラルドを救い、二人は永遠の愛を誓い合ったという唄だそうです」